コラム│当院の外科紹介

枚方公済病院外科 副科長の久保田恵子と申します。この度、このようなコラムでの発信の機会をいただきましたので、皆さまに私自身の紹介と、当院外科の紹介をさせていただきます。

外科 久保田恵子

外科医師になって20年

私が外科医師になり20年が経過しました。
当時は、女性で外科医を選択することが非常に稀でしたので、自分でも進路についてすごく悩みましたが、癌の治療がしたい、子供からお年寄りまで、男女問わず診療したい、手術で病気を治したい、という思いが強かったことから、外科医を選びました。
当時は医師の働き方など全く考慮されない時代でしたし、外科医の生活は想像以上に過酷で、朝から深夜まで、毎日の手術に加え、病棟業務、外来、書類作成など様々な仕事があり、多忙を極め、ほとんど病院で過ごし、家に帰っても寝るだけの生活でした。若手も少なかったため、手術症例も、担当患者さんも多く、30名程度担当患者さんを受け持っていたこともありました。ただ、そんなに忙しくても、一度も外科医をやめようと思ったことはありません。痛がって受診された患者さんが元気になって退院される姿や、癌と診断されて落ち込んでおられた患者さんが、手術を経て無事退院され、外来でも元気にお過ごしされている姿をみることで、自分のことのように嬉しく感じ、いつも逆に元気をもらっていました。

患者さんの気持ち

一方で、外科医になりまだ間もない頃、病院嫌いの父をなんとか病院に連れていき、検査を受けさせ、癌を発見し、手術や化学療法などの治療を行ったものの、癌の病勢に勝てず、亡くなってしまい、せっかく外科医になったのに父を救えず、自分の無力さを感じたこともありました。癌患者の家族として、父と一緒に希望を持って病気に向き合い戦うものの、外科医として、病気の現実もわかってしまう非常に苦しい時期でした。
このように、外科医として様々な経験をし、現在は二児の母として、外科医として、日々奮闘しています。そのような経験から、病気は怖いもの、病院を受診するのも怖いし、ましてや手術なんて怖くて、到底受け入れられない。そんな患者さんの気持ちは非常によくわかります。

当院の外科紹介

ここから当院外科の紹介になりますが、そんな患者さんの不安を取り除くべく、当院では、なるべく丁寧にわかりやすい説明、また、患者さんにとって負担の少ない手術を行っております。腹腔鏡手術はもちろんのこと、当院では直腸癌に対するロボット支援下手術も行っております。また、手術までの不安な期間がなるべく短くなるよう、消化器内科や麻酔科医と密な連携をとり、なるべく早めに手術日程が組めるように調整しております。
安全、安心な治療を提供するよう全力で対応しております。

また、セカンドオピニオンなどをお受けになりたい患者さんも随時受け入れさせていただきますので、治療方針について、外科医の意見を聞きたい場合など、気軽にご予約いただければご対応させていただきます。
また、当院では悪性疾患手術の他、内痔核、脱肛などの肛門疾患、急性虫垂炎、鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニア、胆石症などの良性疾患に対する手術も多数行っております。(腹腔鏡下ヘルニア根治術、腹腔鏡下胆嚢摘出術等)特に、内痔核については、ジオン注(痔核硬化療法)も行っております。また、女性医師が2名おりますので、ご希望があれば女性医師が診察させていただきます。
その他、抗がん剤治療や嚥下機能障害のための栄養経路としてのCVポート(中心静脈ポート)留置'も多数行っています。局所麻酔下ですので外来で施行可能です。近隣の施設からもよくご紹介いただいております。

休日・夜間の受け入れ態勢

当院は夜間休日の緊急手術は現段階ではできない状況ではありますが、昨今、昼夜問わず、すぐさま緊急手術を要する疾患はかなり限られており、腹部救急疾患のうち、多くの疾患は、入院の上、保存的加療(絶食や抗生剤加療)を行い、必要であれば翌朝以降の日勤帯に臨時手術として安全な体制で手術を行うことが一般的です。
当院では24時間、腹痛患者様の受け入れは行っております。救急受診された患者様の画像診断を当直医、外科医、放射線科医でしっかりと確認、議論し、診断をつけ、適切な治療を開始します。そして、すぐさま緊急手術が必要な患者様については速やかに対応可能な近隣の病院へご紹介させていただきます。現在、部分的にでも夜間休日の緊急手術実施体制を整えるべく準備を進めております。

地域の皆さまに安心、安全な医療が提供できるよう、万全を尽くします。気になる症状があれば、気軽に当院を受診してください!

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  • 2024年11月08日(金)