令和5年度 国家公務員共済組合連合会 枚方公済病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 39 82 85 237 621 941 2,405 2,428 717
 当院は、北河内医療圏の急性期病院として一般・救急医療を担い、幅広い年齢の方の診療を行っています。高齢化社会を迎え、当院でも60歳以上の患者さんが86%程度を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 122 20.93 20.60 17.21% 85.05
010060x0990001 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) 23 5.04 5.82 0.00% 75.91
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 22 16.73 13.52 0.00% 84.64
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 19 47.53 36.11 52.63% 83.74
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 18 17.67 20.03 0.00% 85.06
 内科が担当した症例では、誤嚥性肺炎が最も多くなりました。誤嚥性肺炎は、嚥下機能が低下した高齢者や寝たきりの患者さんなどに多く発生するのが特徴です。誤嚥に対して、医師や歯科医師、看護師、言語聴覚士などが協力して嚥下訓練を行い、症状の改善・再発予防に努めています。
内分泌代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 21 16.67 20.60 4.76% 87.95
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 21 13.24 13.99 0.00% 71.33
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 10 12.20 13.52 0.00% 71.00
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) - - 10.66 - -
0400801499x011 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) - - 16.83 - -
 内分泌代謝内科が担当する基礎疾患を持つ、誤嚥性肺炎や尿路感染症患者さんの入院や、2型糖尿病の治療が上位を占めました。2型糖尿病に関しては、2023年11月から新たに糖尿病教育入院が始まり、医師を筆頭に看護師、理学療法士、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師などの様々な職種が連携し、指導を行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 11 22.45 16.97 9.09% 64.18
010160xx99x00x パーキンソン病 10 20.00 18.24 0.00% 79.10
010230xx99x00x てんかん 10 9.60 7.20 20.00% 58.80
010160xx99x01x パーキンソン病 - - 32.34 - -
010060x0990200 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) - - 20.24 - -
 表中にある、免疫介在性ニューロパチーとは、体を異物から守る働きである免疫反応が自身の末梢神経に対して反応してしまい障害を起こす疾患のことです。代表的なものにギランバレー症候群などがあります。それらの患者さんに対してはガンマグロブリンを投与する免疫療法などで治療を行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 566 2.06 2.61 0.00% 69.91 ポリペク
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 55 8.44 8.55 0.00% 72.76
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 46 7.15 7.58 0.00% 70.78
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 43 9.67 8.75 0.00% 75.95 ERCP・EST
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 34 5.09 5.64 0.00% 51.24
 最も症例数が多かった小腸大腸の良性腫瘍では、クリニカルパスを用いて治療の標準化に努めています。そのことを反映して平均在院日数が短くなっています。腸炎などに対する内科的な治療のほかに、胆管結石や胆管炎などの疾患に対して、内視鏡を用いた胆道検査(ERCP)やステントの留置を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x6xx 非ホジキンリンパ腫 18 20.61 13.10 0.00% 71.33
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 15 21.13 19.61 0.00% 76.33
130010xx97x2xx 急性白血病 10 26.10 36.19 0.00% 62.80
130040xx99x4xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 - - 19.16 - -
130110x0xxx5xx 出血性疾患(その他)(16歳以上) - - 23.94 - -
 血液内科では、主に白血病や非ホジキンリンパ種(=悪性リンパ腫に分類される。リンパ球が、がん化した病気)の抗がん剤治療の患者さんが多くなっています。様々な選択肢から最適な治療を選ぶことのみならず、Quality of lifeも最重視し治療を行っています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 11 11.09 13.52 9.09% 67.91
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 - - 20.60 - -
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 - - 11.49 - -
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 - - 13.81 - -
050130xx9900x0 心不全 - - 17.38 - -
 腎臓又は尿路の感染症は、細菌が感染する部分によって上部尿路感染症(腎盂腎炎など)と、下部尿路感染症(膀胱炎など)に分けられます。当院では、主に前者を腎臓内科、後者を泌尿器科が担当しています。慢性腎不全では、出来るだけ進行を遅くするために投薬や生活習慣の改善を行います。進行してしまった腎不全に対しては、腎代替療法(血液透析、腹膜透析、家族間移植)の準備を開始し、患者さんと相談し治療方法を決めていきます。多くの場合は、当院で血液透析を行い、腹膜透析は他施設へ紹介、移植に関しても大学病院などへ紹介しています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 304 16.26 17.38 4.28% 84.79
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 144 11.20 11.54 0.69% 69.82
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 135 4.58 4.26 1.48% 71.92
050130xx97000x 心不全 118 15.72 21.90 5.93% 78.63
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 108 20.58 20.60 21.30% 86.89
 心不全や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)など、様々な循環器疾患に対して診療を行っています。入院患者の上位を占めている心不全は、冠動脈疾患、弁膜症、高血圧、不整脈などが原因で発症するため、薬物療法やカテーテル治療、デバイス治療など、原因に応じて治療を行っています。(表中で件数が分かれているのはそのためです)。
 当院では、心不全の患者さんに「レインボー手帳(心不全手帳)」を配布し、自宅で体重を記録するセルフモニタリングを通じて病識を深めていただく取り組みを行い再入院予防にも取り組んでいます。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 86 5.05 4.55 0.00% 73.51 ヘルニア根治術
060335xx02000x 胆嚢炎等 72 7.31 6.87 0.00% 66.69 腹腔鏡下胆のう摘出術
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 34 6.18 5.98 0.00% 67.44
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 33 7.18 8.95 0.00% 72.79
060241xx97xxxx 痔核 29 2.86 5.41 0.00% 67.62 痔核硬化療法
 症例数が多い疾患については、クリニカルパス(入院のスケジュール表のような治療計画)を使用して、治療の標準化や医療の安全、質の向上を図っています。また、表にある症例の多くの手術は腹腔鏡下手術で行います。患者さんの負担をより少なく、術後の早期退院を目指すことを心がけています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 21 15.86 18.65 14.29% 78.05
050130xx9900x0 心不全 18 14.44 17.38 0.00% 84.33
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 13 2.00 2.61 0.00% 71.92
040150xx99x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 11 27.64 22.55 27.27% 71.73
050080xx0100xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) - - 16.89 - -
 心臓血管外科の医師が呼吸器分野の知見もあり、現在不在となっている呼吸器内科医師の分野を担当したため、間質性肺炎が症例数の上位にあがりました。弁膜症の症例に対しする弁置換術、弁形成術などの心臓の手術や、下肢静脈瘤に対する血管の手術など循環器内科と協力し治療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 46 5.65 6.85 0.00% 78.26 TUR-Bt
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 41 4.34 5.22 4.88% 71.02 TUL
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 39 11.03 11.19 2.56% 72.23
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 20 8.60 7.75 5.00% 81.40 TUR-P
110080xx9905xx 前立腺の悪性腫瘍 18 3.17 8.43 0.00% 72.33
 膀胱や前立腺の悪性腫瘍が件数の上位を占めております。前立腺癌等に対しては手術支援ロボットを使った低侵襲手術も行っています。上部尿路疾患とあるのは、いわゆる尿路結石のことです。尿道より器具を挿入し結石を除去する治療を行う症例が多くありました。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 43 25.74 25.50 74.42% 82.35 ハンソンピン・ガンマネイル・CHS
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 22 14.73 19.34 50.00% 83.09
160760xx97xx0x 前腕の骨折 15 3.60 4.76 0.00% 59.53
160990xx99x0xx 多部位外傷 - - 17.80 - -
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) - - 21.96 - - TKA
 大腿骨近位骨折は、平均年齢にも表れている通り、高齢の方が転倒した際に起こることが多く、負傷をきっかけに「寝たきり」になってしまうことがあります。「寝たきり防止」のためには術後のリハビリが重要といわれています。
 当院は急性期医療を担当するであり、急性期の治療が落ち着き次第、地域の慢性期や回復期といったリハビリを得意とした医療機関に転院し、治療を継続するという経過をたどることが多いため、転院率が高くなっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 166 4.99 4.46 0.00% 76.42 白内障(4泊5日)
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 134 1.96 2.54 0.00% 74.19 白内障(2泊3日)
020210xx99x1xx 網膜血管閉塞症 49 1.10 2.15 0.00% 74.80 硝子体内注射
020200xx99x1xx 黄斑、後極変性 41 1.02 2.09 0.00% 79.46 硝子体内注射
020180xx99x2xx 糖尿病性増殖性網膜症 29 1.00 2.48 0.00% 69.93
 症例数は、白内障が最も多くなっています。クリニックなどで外来による手術も行われる疾患ですが、基礎疾患を有する全身管理が必要な患者さんや、眼科的な難症例に対しては入院による手術も行っています。また、網膜硝子体疾患(加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、静脈閉塞症、近視性脈絡膜新生血管)に対して抗VEGF抗体治療(硝子体注射)を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 31 - 11 32 - 20 1 6,7,8
大腸癌 24 18 69 85 17 52 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 胃癌と大腸癌の症例数が多くなりました。比較的早期の患者さんから、病期が進んだ患者さんまで治療にあたっています。「不明」に関しては、入院時では病期が不明であった場合によるもので、その後の検査などで病期が判明します。専門とする医師が少ないことから、乳癌や肺癌の件数は少なくなっています。

 治療に関しては、進行度合いに関わらず抗がん剤治療などの内科的治療や、手術による外科的治療など、最適な治療を提案できるようにキャンサーボードという検討会を開催し議論を行っています。医師だけでなく、看護師や薬剤師、コメディカルがチームとなって協力し、治療を受けられる患者さんの心身をともにサポートできるように努めています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 44 9.07 53.36
中等症 275 16.56 82.97
重症 30 17.50 84.67
超重症 - - -
不明 0 0 0
市中肺炎の重症度は以下の「A-DROP」といわれる基準がいくつ当てはまるかによって判定します。
・A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
・D(Dehydration):BUN 21mg/dl以上、または脱水有り
・R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 90torr以下)
・O(orientation):意識障害の有無
・P(Pressure):血圧(収縮期)90mmHg以下

上記の項目が
1つも当てはまらない場合=軽症
1~2つ当てはまる場合 =中等症
3つ当てはまる場合   =重症
4~5つ当てはまる、あるいはショック状態=超重症
と判断します。

 患者数が最も多いのは、「中等症」です。重症度が上がるにつれ平均年齢が上がっており、平均在院日数も長くなっていることがわかります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 28 26.50 80.14 6.50%
その他 95 7.96 78.02 6.50%
 当院では、内科系ER(救急医療)を行っており、意識消失やめまいを訴える患者さんを受け入れています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 20 25.40 16.95 45.00% 85.80
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - - - - -
 最も件数が多くなった中心静脈栄養用カテーテル植込みと、上位にあがった胃瘻造設は、主に口から栄養を摂る(食事をとる)ことが出来なくなった患者さんに対して、栄養を補給することを目的に行われる手術です。消化管の機能が残っていない場合には前者を、機能が残っている場合には後者を選択します。
 それらの手術を受ける患者さんの多くは高齢の方であり、また急性期治療を終えた後も引き続き治療が必要なことが多いため、転院(慢性期の治療を担当する医療機関への)率が高くなっています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 583 0.21 1.22 0.17% 70.17 ポリペク
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 69 2.30 13.00 1.45% 77.57 ERCP・EST
K654 内視鏡的消化管止血術 39 0.49 11.77 12.82% 79.10
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 26 0.08 2.08 0.00% 70.27 ポリペク
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 25 1.00 6.52 0.00% 74.00 EMR
 比較的早期に発見された胃の悪性腫瘍は開腹ではなく、内視鏡的手術によって取り除く手術を行っています(K6532)。
また何らかの理由で胆道が狭窄(=狭くなること)し、胆汁の流れが悪くなった場合に、内視鏡的にステントを留置し改善を図る手術も行っています。外科と協力し開腹による治療と内視鏡による治療を選択しています。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 176 2.55 3.72 1.14% 72.77
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 106 0.30 13.61 5.66% 70.59
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 71 0.24 10.21 2.82% 71.10
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 64 1.45 2.38 0.00% 66.44
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 54 3.94 8.48 1.85% 78.74 ペースメーカー移植術
ペースメーカー交換術
 循環器内科では、カテーテルを用いた冠動脈ステント留置術を多く行っており、疾患の違いによる分類から分かれて表現されています。これは、「ステント」という筒を流れが悪くなった心臓の血管に留置し、血流の回復を図る手術です。急性心筋梗塞に対しては、緊急で行われるため、術前日数が表のような値になっています。
 カテーテル治療のほかにも、不整脈に対してアブレーション治療(血管からカテーテルを挿入して不整脈の原因となっている心臓の部位を高周波電流で焼灼し不整脈を治す治療)も行っており、前年度と比較して件数が増加しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 136 2.11 5.75 1.47% 68.35 腹腔鏡下胆のう摘出術
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 51 1.35 2.67 0.00% 69.14
K6335 鼠径ヘルニア手術 36 1.31 2.89 0.00% 79.72 ヘルニア根治術
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 25 3.80 11.16 4.00% 73.24
K7432 痔核手術(脱肛を含む)(硬化療法(四段階注射法)) 24 0.58 1.54 0.00% 71.58 痔核硬化療法
 外科における手術では、腹腔鏡による手術の件数が多くなっています。腹腔鏡による手術は、開腹による手術に比べ患者さんの負担が少なく、傷跡が小さくて済むなどのメリットがある反面、操作が複雑なため技術が必要な手術となります。当院では、内視鏡外科学会技術認定医が在籍しており、腹腔鏡手術を安全に行う体制をとっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 299 0.77 1.86 0.00% 75.40 白内障(2泊3日)
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 12 1.00 1.58 0.00% 72.83
K2682イ 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
K2761 網膜光凝固術(通常) - - - - -
 眼科における手術の症例のほとんどは、白内障に対する眼内レンズ挿入術となりました。
診断群分類別患者数の項目でも言及した通り、白内障はクリニックなどで外来による手術も行われる疾患です。当院では、基礎疾患を持ち全身管理が必要な患者さんや眼科的な難症例に対して入院による手術も行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6171 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) 13 0.00 1.00 0.00% 71.92
K5551 弁置換術(1弁) 10 4.40 14.40 10.00% 71.60
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) - - - - -
K5542 弁形成術(2弁) - - - - -
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) - - - - -
 冠動脈バイパス手術に関しては、患者さんの体への負担が少ない、人工心肺を用いない心拍動下(=心臓を止めずに手術を行う)冠動脈バイパスを第一選択としています。
循環器内科との連携を密にし、個々の患者さんに応じたカテーテル治療と外科治療を組み合わせ、最適の治療方法を行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 54 1.44 3.67 0.00% 77.93 TUR-Bt
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 37 1.14 9.49 2.70% 72.24
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 34 1.59 7.50 11.76% 73.03
K841-5 経尿道的前立腺核出術 24 6.00 7.58 4.17% 83.38 TUR-P
K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他) 23 1.00 2.13 0.00% 71.09 TUL
 「経尿道的」手術とは、尿道から器具を挿入し行う手術のことで、体にメスを入れずに済むため負担が少なく、多くの症例で選択しています。当院では2022年12月から手術支援ロボットを導入し、前立腺癌や腎癌で手術を行ったことから、腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(K843-4)の件数が増加しています。また、救急部門とも連携し、尿路結石や、尿閉(尿が出なくなってしまう)への対応も行っており(K7812、K783-2)、術前日数が短いのはそのためです。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0811 人工骨頭挿入術(股) 25 5.08 20.96 84.00% 81.20
K0461 骨折観血的手術(大腿) 24 3.46 16.63 54.17% 81.71 ガンマネイル・ハンソンピン・CHS
K0462 骨折観血的手術(前腕) 19 2.21 2.89 0.00% 68.37
K0821 人工関節置換術(膝) 15 2.20 20.80 0.00% 74.60 TKA
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 14 1.14 1.07 0.00% 58.07
 診断群分類別患者数の項目にある通り、大腿骨の骨折は高齢の方に多く当院でも平均年齢が高くなっています。(K0811、K0461)負傷をきっかけにした「寝たきり」を防止するためには、術後のリハビリは重要といわれています。そのため、急性期治療を担当する当院での治療が落ち着き次第、地域の慢性期や回復期といったリハビリを得意とする医療機関に転院し、治療を続ける必要があります。そのような治療の流れがあるためこれらの症例では転院率が高くなっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 86 1.14%
異なる 47 0.62%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 26 0.34%
異なる - -
播種性血管内凝固症候群
・血液の凝固する力が高まってしまい微細な血栓が多発する病態。

敗血症
・血液に細菌が入り込み全身の臓器がおかされてしまう病気。

その他真菌感染症
・真菌とは大まかに言えばカビのことで免疫機能が低下するなどして感染する。

手術・処置などの合併症
・透析患者さんのシャントの狭窄や術後感染、アレルギー性ショックなどのことです。いわゆる医療事故等のことではありません。

これらの病気は主たる疾患の合併症として発生することが多いため、提供する医療の質を高めるためのひとつの目安とされます。
(ここでは上記の病名が入院時のきっかけとなった病名と、同一であるか、異なっているかに着目しています。)

上記の表では、「異なる」に数えられる例が入院中に合併症として発生した可能性がある、という参考になります。
ただし、これらの疾患は臨床上「0件にはなりえない」ものです。
比較の上であまりにも発生率が高い場合は医療の提供方法に問題が存在することがあります。

手術・処置等の合併症について内訳を以下に記します。
後出血…5件
中心静脈カテーテル感染症…4件
透析シャント狭窄…3件
透析困難症…2件
その他…9件
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
449 423 94.21%
 肺血栓塞栓症とは肺の動脈に血栓(=血の塊)が詰まってしまう病気のことです。いろいろな原因があるものですが、時に手術によっても生じることがあるため、発症と関連があると考えられている手術を行うときは、予防策を講じることが重要となります。
 ここで示されている値は、日本循環器学会の「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン」に定められたリスクレベル「中」以上の手術を受けた患者さんへ、どの程度予防策を講じたかを示しています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1,603 1,082 67.50%
 血液培養検査は血液に中に病気を引き起こす菌などがいないかを確認する検査のことです。患者さんから採血をして調べます。この際に採血を複数の部位から行い、複数の検体を採ることで検査の精度を高めることができます。
 この指標は当院において実施された血液培養検査のうち、1日に2回以上採血がおこなわれた例の割合を示しています。

 通常皮膚には常在菌と言ってさまざまな菌が存在しています。採血をするときには消毒を行いますが、検体へのそれらの菌の混入を完全に防ぐことはできません。この指標の「2セット実施」とは採血を2回(あるいはそれ以上)行うことで血液の状態を違う角度から調べることが目的であり、手技の不完全さを補完するものではありません。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
478 393 82.22%
 抗菌薬、いわゆる抗生物質にはさまざまな種類があり、病気を引き起こしている原因菌を正しく特定して、お薬を選択する必要があります。この手順を踏まず多くの菌に効く抗菌薬(=広域スペクトル抗菌薬)を使用すると、薬剤が効かない耐性菌を生んだり、副作用が出るなどの弊害が起きたりします。

 この指標は広域スペクトル抗菌薬の投与を受けた患者さんが、どれくらいの割合で病気の原因の菌を特定する検査を受けたかを示し、この値が高いほど、上に説明したことへ配慮されている、すなわち医療の質が高いことを意味します。
更新履歴
2024.09.26
2024.10.02